2024年3月31日日曜日

2024年1~3月期アニメ振り返り

 継続していた「薬屋のひとりごと」 と「葬送のフリーレン」が(私の視聴環境では)週の半ばと週末で、この2本を軸に作画の良さそうな作品を中心に視聴していたが、本数が多いので途中で切ってしまった作品もある。最終話まで観終わった作品は本当に面白かった作品か、難しくなくて癒される作品かだ。

◎僕の心のヤバイやつ 第2期
 毎回心臓を鷲掴みにされるヤバイ作品。一期で二人の思いは伝わって二期は甘いラブコメディーになるかと思ったら、さにあらず。市川が自分の本当の気持ちに気付いて山田への思いがどんどん強くなる。それを抑えきれなくなる。陰キャな市川だからこそその変化と成長が眩しい。山田も一見奔放なようだが恋愛には奥手で自分の気持ちをなかなか素直に伝えられない、そのもどかしさ、息遣いがじわじわと伝わる憎い演出だった。

◎葬送のフリーレン
 第2クールの1級試験編は旅要素が少ないのでワクワク感が無いのかなと思っていたが、なかなか面白かった。戦闘シーンは息をのむものだったし、フリーレンの不器用な感情表現とヒンメルの時を超えた思いの数々、なかなか深いものを感じることができた。名作アニメと呼んで異論を挟む者は無いだろう。

◎薬屋のひとりごと
 ミステリーの謎解きが面白く毎週楽しみに観ていた。トリックの内容は時代設定からしてもそんなに複雑なものではないが、その、「自分でも理解できる」感のなかで登場人物が動く様がなかなか良かった。2期は2025年だそうで、楽しみにしておこう。

◎戦国妖狐 世直し姉弟編
 戦国怪異バトルファンタジー、なかなか燃える。この原作者の『惑星のさみだれ』のアニメは期待しながら2クール頑張って見たのだが、正直残念な出来だった。それに対してこの戦国妖狐は作画クオリティが高く、ワクワクして楽しめる少年漫画だ。MindaRynによるOP主題歌は燃えるし、KEIKO+梶浦由記のEDテーマも沁みる。

◎魔法少女にあこがれて
 今期一番の問題作。美少女コメディーかと思っていたら、放送ラインを越えて白い光の溢れる、凌辱エロアニメだった。ま、深夜アニメなんだから、表現の自由ということで許そう。

◎勇気爆発バーンブレイバーン
 久しぶりに硬派なロボアニメが始まったと最初は思ったが。これがただのロボアニメではなかった。ロボアニメの殻を被ったCygamesの実験作だった。ベースは終末世界の宇宙人侵略、ロボットバトル。そこに昔でいうところの「男の友情」を現代解釈でゲイの風味にし、昔のアニメファンの「あるある」をうまい具合にギャグに仕立て、物語の終盤はタイムリープで話をひっくり返し、最後はみんなの思いを一つにして敵を打ち倒すという、ムネアツな展開。いろいろ突っ込みどころもあるが、笑って流せる爽快な作品だった。

○治癒魔法の間違った使い方
 異世界転生・魔法世界ものの中では確かに異色な作品で、毎週楽しく観ることができた。治癒魔法師とかヒーラーというのは魔法世界ものでは地味な脇役的存在なのだが、それも突き詰めていってこんな奇想天外でムネアツな物語にすることができたというのが賞賛に値する。きっと続編もそのうちアニメ化されるだろう。

◎ダンジョン飯
 単なるダンジョン攻略モノではなく、そこにグルメ要素を盛り込んだ意欲作。制作がTRRIGERというので期待は大きかったがその期待を裏切らない作品だ。これから後半クールに続く様だがオープニングに出てくる全メンバーが揃って新しい冒険が始まるのかなと、期待は高まる。

○姫様“拷問”の時間です
 なんと平和でほのぼのした作品だろうか。単純にギャグアニメと考えても秀作だった。伝説の剣エクスカリバーとのボケ突っ込みもテンポが良く、作画は高品質でカワイイ。そして、登場人物が魔王を筆頭としてみんないい人。悪魔社会は人の営みと同じで。魔王軍はホワイト企業だった。…深いこと考えずに素直に楽しめた。

○悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~
 悪役令嬢モノを最後まで見たのはこれが初めてかもしれない。私はゲームをやらないので、ゲームの中のお約束事はよくわからないが、それでもいろいろと笑える場面が多かった。なるほど、こういう世界観だとシナリオの稚拙さが目立たないわけね。

○俺だけレベルアップな件
 原作が反日の韓国作品だということで、一部で物議をかもしているが、作品としてはよく作られているように感じる。澤野弘之の音楽もグッとくる。けど、この設定は、スマホやスマートウオッチのフィットネスアプリ+ゲームの販促動画のように思えて仕方がないんだが。

○最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。
 転生した子供が大人顔負けの知恵と行動力、チートな能力を使って生き延び、事件を解決していく…って、これ「名探偵コナン」のセオリーではないか。力(能力)は劣っていても素直でまっすぐな気持ちと勇気があれば周囲の理解を得られて上手くいくという教訓。

○異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。
これも転生幼女が大人顔負けの大活躍をする物語。昨今のもふもふブームに乗って、様々なもふもふが仲間になっていく辺りがこの物語のオリジナリティだ。最後の方で死とか、自分の地位への責任といったものに、真面目に向かい合っているところは神妙だったが、そもそもゴブリンをときどき討伐して数を調整しようと言い出したのは幼女姫様で、本当にそれでよかったのか、と突っ込みたくなった。

○ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する
 痛快人生やり直しストーリー。歳をとってくると、自分にはもっといろんな可能性があったんだろうなと思うことがある。自分の人生を後悔してはいないが、違う人生を夢想して何か調べたり試してみるというのも楽しいものだ。

○外科医エリーゼ
 これも転生人生やり直し系の少女漫画なのだが、低予算作画なのが残念。医療ミステリィの筋書きはなかなか面白いし、石川由衣の演技も魅力的だ。これ、実写映画にしてもきっと面白いと思うんだが。…いや、学芸会になってしまうかな。

○ゆびさきと恋々
 耳の聞こえない主人公の女の子がイケメン男子と出会って恋人になるという、今の時代らしい恋愛漫画アニメ。この設定だけで新感覚なので、現実にはあるであろう様々な苦難を敢えて描かずに綺麗な上澄みだけを物語にしているところが上手い所とも、物足りない所ともいえる。

○魔都精兵のスレイブ
魔界で美少女のスレイブ(奴隷)となり、兵器として戦う少年の話なのだが、物語の中心は美少女の方だ。ご褒美シーンもある。物語の続きが気になるというのではなく、かわいいカットとかカッコイイシーンとかが楽しめれば満足だ。

○アンデッド・アンラック
 「否定者」というこの作品のコアになる設定にだいぶ慣れてきたが、それによって異次元のストーリー展開とバトルが繰り広げられる。なかなか感情移入はできないが、熱い戦いは楽しめた。

○魔女と野獣
 魔女を殺す、捕らえるというのに、戦いの多くは肉弾戦だ。魔女・魔法の存在がこの世界観の要で、その謎解きが楽しめる。

・佐々木とピーちゃん
 異世界転移、魔法・異能力バトル、戦略、商売、グルメ、あれもこれも詰め込まれて、何を追っていったらよいのかよくわからなくなっている。1クールでは訳わからんカオスな物語になっている。魔法少女が何なのかヒントも無く、隣の制服少女の家には悪魔が出てきて、こんな中途半端な状況で最終回とか、何なんだこれは一体。

・結婚指輪物語
 まさにハーレム、深淵王との戦いというのはハーレムを作るための口実で、実際、主人公と姫たちとの出合いが物語の大半を占めていた。結局これって、ギャルゲの構成そのままなのではないだろうか。ギャルゲをやったことは無いけど。

・メタリックルージュ
 作画は悪くないし、ストーリーも好きな方だ。主題歌もオシャレ、けれども今一つ入れ込めないのは、何だか時々垣間見える手抜き感と、ネアン(人造人間)のデザインのプラモデルっぽさなのかなぁ。

・SYNDUALITY Noir 第2クール
 アンドロイド(メイガス)と人間が共存する世界でメイガスを否定しようとする者との戦いが第2クールの主軸なのだが、正直に言うと、それほどグッとくるものではなかった。2頭身のロボットが意外と自然に描かれていたのが唯一の推しポイントかな。

・シャングリラ・フロンティア
「 クソゲーハンター神ゲーに挑まんとす」というキャッチコピーなのだが、クソゲー要素があまりなく、普通に異世界バトルものだ。ゲームの中のことなので何が起こっても不思議ではなく、驚きも少ない。作画は良いので、あとは謎解き要素があると惹き込まれるんだろうな、と感じる。