2025年7月7日月曜日

2025年4~6月アニメ振り返り

 毎週楽しみに観ていた作品と、なんとなく観ていた作品があるが、結局20本を超える作品を最終話まで(中には次のクールに続くものもあるが)観てしまった。最初はもう少し多かったのだが、私の生活時間的にこれぐらいの本数が最大なのだろうね。さて、今期印象に残った声優は「花澤香菜」、もうベテランなのだが、エンディングの名前を見て「え?そうだったの?」と驚く多彩さはさすがの人気声優なのだ。

◎アポカリプスホテル
 SFコメディーというのか、いろいろ考えさせられる良い作品だった。まず、キャラクター原案が竹本泉というのが往年のファンとしては大歓喜。調べてみるとコミカライズも発表されていて、竹本泉先生が現役であることを知った。生きるということ、働くということをあらためて考えさせられた。…いや、そうでもないか。

◎薬屋のひとりごと
 ストーリー、キャラクター、作画、演出、主題歌…全てが高いレベルで完成された作品。毎週楽しみに観ていた。何よりストーリーが練り込まれている。作品の中の様々な出来事が後々の事件に繋がっていて「ああ、そういうことだったのか」と感嘆することばかりだ。ミステリィというものの真髄を教えてくれる。

◎機動戦士Gundam GQuuuuuuX
 いろんな作品が創り続けられているガンダムだからこそできた、サイドストーリーだと思う。ある意味、異世界ガンダム。最終盤の笑えるシーンも「立体映像じゃないのか」「質量の増大が確認できます」というセリフで、戦隊もので怪人が大きくなるのとは違うんだぞと主張している(笑)。


◎忍者と殺し屋のふたりぐらし

 今季最大の問題作ではなかろか。敵であっても殺さずに改心させたり法に則って罪を償わせたりするというのが最近のスタンダードなのだが、この作品ではころしやが仕事のために躊躇なく人を殺す。さすがに死体は見せないし、死んだ追手たちがあの世で楽しく暮らしているカットも入っている。それでも人を殺すことに一切の躊躇が無いのは倫理観としてどうなのかと不安になる。最後にその無表情なころしやが少し人間らしさを見せる辺り、なんだか言い訳のようでモヤモヤする。それがシャフトの個性というものかもしれないが、本当にこれでいいのか?

◎ウィッチウォッチ
 連続2クールの前半が終わった所での感想。魔女に鬼に天狗に、あれやこれや…ドタバタコメディーではあるが、主人公だけでなく、周囲の人物を深掘りして日常系のギャグで笑わせてくれる。最初は単なるラブコメかと思っていたのだが、話が進むにつれていろんなギャグが織り込まれていく懐の深い作品だった。後半も、しょうもないドタバタで笑わせてほしい。

◎阿波連さんははかれない season2
日常系ラブコメかと思いきや、かなりシュールなギャグアニメだった。season1では阿波連さんの「はかれなさ」と、二人の微妙な距離感が縮んでいく所が見どころだったが、それが解決したseason2では、「なりきり」コメディーが秀逸で、また違った感覚で楽しめた。

◎ある魔女が死ぬまで
 タイトル通り主人公のメグが死ぬ(実際は死の運命から逃れる)までの話だと思っていたら、残り半年で旅に出るところで終わってしまった。作画は低コストでやや残念だったが、物語の展開は嫌いじゃない。2クール予定が1クールで打ち切りになったような終わり方は残念だ。

○アン・シャーリー
 往年の世界名作アニメ劇場を思い出させる、シンプルな線で物語を丁寧に描いていく高品質なアニメだ。「赤毛のアン」は名作だと言われているが、夢見がちな少女が空想を楽しむ姿というのがイマイチ興味をそそらなくて敬遠していた。この歳になって、舞台となっている場所・時代に一人の女性が物おじせずに自分の気持ちを堂々と伝え、行動していく様がステキだと感じられるようになった。

○ロックは淑女の嗜みでして
 演奏シーンに迫力はあるし、インストロックへの熱い想いもひしひしと伝わってくるのだが、比較的順調に物事が進んで行ってハラハラドキドキする場面が少し足りなかったなと感じた。作画クオリティーは高くコンセプトも悪くない。だけど何か物足りないなぁ。まあ、やっとメンバーが揃ってバンド名も決まったところなので、これからかな。続きはやるのかな?

○真・侍伝 YAIBA
 主人公の声がコナンと一緒だというのが最初はちょっと気にかかっていたが、慣れたらこれはこれで悪くない。物語はどこかで観たことのある少年漫画なのだが、アクションがなかなか冴えている。童心に戻って単純にアニメを楽しむには良い作品だ。毎回人が死ぬコナンより、YAIBAの方が単純明快で楽しい。小さなお子様にもおススメ。

○ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-
 僕のヒーローアカデミアと同じ世界、同じ作画で”その他大勢”の1人にスポットを当てた、なかなか粋な作品だと思う。人の数だけ物語があるということをひしひしと感じるとともに、それをエンターテイメントとして仕上げてしまう原作者の技量に感服した。

○完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる
 こういうクールビューティーな役柄は石川由衣のはまり役だな。最後、主人公の笑顔で終わるんだろうなとはわかっていたが、それにしても笑い声無しで演じ続けるのは大変だろう。主人公は実際完璧すぎてオマケに無表情なので話が盛り上がらないところだが、妹聖女の感情的な復讐劇が対比されて物語が面白くなった、構成の上手さだと思う。

○片田舎のおっさん、剣聖になる
 原作厨からは今一つの評価だそうだが、アニメだけしか知らない私からするとなかなか楽しく観ることができた。いわゆる無自覚系最強主人公というジャンルになると思うのだが、そこに、「師匠」としての資質が加わると、展開が豊かになる。おっさんが活躍する作品は、おっさんの私には沁みるのだ。続編の制作も決定したそうで、それも楽しみに待ちたい。

○ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる
 異世界少女漫画ラブコメディーであるのだが、意外とアクションもしっかり描かれている。「ゴリラ」というのが微笑ましいところで、引っ込み思案だった少女が強く成長して憧れの先輩と結ばれる、実に純粋で前向きになれるお話だった。こういうシンプルなのがいいね。

○小市民シリーズ 第2期
 謎が解けてめでたしめでたしではない、真実を知ることで表に現れなかった人の秘めた思いを知ってしまう、奥の深い話だった。ミステリィというのはあまりアニメ向きではないかと思っていたが、要所で出てくる甘味の彩とその薀蓄(うんちく)がいい具合にマッチしていた。

○謎解きはディナーのあとで
 「お嬢様の目はふしあなですか?」と、ずけずけ言ってくる執事が結局何者なのかわからないままなのだが、ミステリーをコメディー仕立てにして気軽に見せてくれる、なかなかの良作だったと思う。推理ものなのだが、本気で考えてはいけない作品だ。

○mono
 360度カメラでもっといろいろエモい写真を撮る、クリエイティブ部活の話かと予想していたのだが、女子高生と漫画家のゆるふわ系ご当地めぐりアニメだった。オマケに「ゆるキャン△」と舞台がリンクしていて落ち着かなかった。最終回になって「シネフォト部」を思い出したようだが、これがこの作者のスタイルなのでしかたがないのかな。

○ざつ旅-That's Journey-
 これといったストーリーは無い。駆け出しの漫画家が旅をして、人との出会いや思い通りにいかないことを糧として一回り成長するという話だ。作画はかなり悪い。背景は多分写真のトレースか写真をアニメ風に加工したものだろう。ただ、行ってみたい観光地や私の地元に近いところが舞台になっていて、何となく見てしまった。ま、そういうのもありか。

○日々は過ぎれど飯うまし
 女子中学生のような女子大生がだらだらと楽しく過ごすアニメ。食べ物が美味しそうなのが良い。こういう何でもないことが幸せなんだなと思う。

○リコリス・リコイル Friends are thieves of time.
 ウエブで公開のショートアニメ、短尺ではあるが、丁寧に作ってあってちゃんと落ちも笑えるなかなかの意欲作だった。制作者にも視聴者にも愛されている作品ということがひしひしと伝わった。最終話で知ったのだが、エンディングの「花の塔」を歌っていた”さユり”は亡くなってたんだね、合掌。

○一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる
 全くタイトル通りの作品で、追放された無自覚イケメン主人公が、元気な女の子に慕われて社会の闇を晴らしていくお話。謎解きもドキドキする展開もなく、安心して観ていられる作品だった。時々作画の品質が落ちることもあったが、あまり目くじらを立てるほどのものでもなかった。

○勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~
 「よくある話」とタイトルにつけている辺り、無自覚系最強冒険者設定であることを開き直っている。ま、潔くて、何も考えず頭を空っぽにして観られる作品だった。

○Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。
 第5階梯魔法!腐敗した薔薇の香り…、中二病成分満載のダンジョン攻略物語。主人公が女の子にモテモテなのが度が過ぎているハーレムアニメ。二期制作決定だそうだが、もうおなかいっぱいだ。