2021年5月2日日曜日

図書館戦争

 実写映画「かぐや様は告らせたい」が午前中で見終わってしまったので,気を取り直してもう一本リアリティのある映画を見て見ようかとAmazon primeを探して「図書館戦争」を見つけた。この作品は原作を読んだことも無ければアニメも全く見ていないが,タイトルだけはやけに記憶に残っている。実際見てみて,当時少年犯罪や猟奇事件が報道されるたびに,犯人の生活環境や嗜好が暴かれて,本や映画やネット情報がこのような歪んだ人格を作り上げたとする報道に違和感を感じていた,原作者も同じような思いを抱いていたんだろうなと思った。その思いを作品とした作者にはある意味共感はするのだが,「自由のために命を張る」という姿勢は自分自身には受け入れられない所だった。「自由と命のどちらを取るか」と聞かれたらきっと自分は「命」と答えるだろう。また,映画の演出上避けては通れないのだが,多くの本が踏みにじられ銃弾で撃たれ,炎に焼かれる映像は,昭和生まれのおじさんには胸が締め付けられるものだった。これが小説やアニメだったらまだ許容できるが,実写だからなぁ。

 この映画に脇役で出演していた栗山千明は映画「バトルロワイアル」でのデビューが印象に残っている。「バトルロワイアル」は2000年公開なので,当時と社会情勢も自分自身の感受性も違うので単純な比較はできないが,あの映画は世間では批判もあったものの自分にとっては人の命について考えさせられる映画だった。原作小説も買って読んでしまった。「図書館戦争」にはそこまでの魅力は感じなかったなぁ。一番印象に残っているのは石坂浩二の名演だ。さすが,ナレーションでも演技でも魅せる。榮倉奈々は頑張ってはいるが,演技が軽い,その思いが自分に投影できない。岡田准一の演技も,よくある”鬼教官が実は自分の命の恩人だった”という役回りを演じているだけで,2時間の映画ではいろいろと描ききれないよなと思わせられるものだった。先にも述べた通り「本が傷めつけられるのが可哀そう」な印象の残る映画でした。

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