2024年7月20日土曜日

映画:ルックバック

 深夜アニメで流れているCMや、Youtubeのおススメ動画サムネイルで「ルックバック」という作品が紹介されていて気になっていた。ネタバレを嫌っておススメ動画をとばし続けるのも嫌なので映画を見に行くことにした。ただ、鳥取市内に一館しかない小さな映画館ではルックバックは上映していない。ネットで探してみたら県内に上映館は無かった。一番近いのは岡山市のイオンシネマだ。朝7:30に家を出たが、Yahoo!カーナビでは到着は11:00過ぎ、午前中の上映時間には間に合わない予測だった。けれども休憩せずに運転し続けたら、だんだん到着予想時刻が前倒しになって10:30ぐらいに岡山のイオンモールに到着した。チケット購入は行列だったが、キャッシュレス決済端末が空いていてスムーズにチケット購入ができた。中央寄りの席は埋まっていたのでやや上手(右側)席から見ることになった。

 シアター内に観客は20人程度だったろうか、比較的空いていた。音楽の音量が大きいのが若干気になったのは座席の位置によるものだろうか。前3列は誰も座っていなかったが、前の方の中央席を取ればよかったかなと、始まってから思ったりした。

 ストーリーはシンプルだった。「なぜ漫画を描くのか」を、主人公に問う物語だ。漫画を描く対称的な二人の心が表情や仕草でよく表現されていて、かつて絵を描いたことのある人(私も含めて)にはなかなかグッとくる話だ。ましてや漫画家やアニメータ―など漫画やアニメを仕事にしている人ならば涙が出そうな話だろう。奇しくも京アニ放火事件は5年前の7月18日だった。現実の事件のことも思い起こされて、複雑な感情も渦巻く。けれども、決して説教的でも教訓的でもない、「描くことが好きだから」「喜んでくれる人がいるから」描く、という気持ちが伝わってきた。

 声の演技も違和感がなく、よく演じていた。映像も手書きアニメの良さを生かした、自然で統一感のあるものだった。原作を読んでいないので、脚本や演出の良さは原作の良さなのか、監督や演出家の技量によるものなのかよくわからないが、主題を引き立たせる無駄のないものだった。派手さは無いものの、「うんうん、そうだよね」と共感できて、じんわりと胸が熱くなる作品だった。

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