2025年7月7日月曜日

2025年4~6月アニメ振り返り

 毎週楽しみに観ていた作品と、なんとなく観ていた作品があるが、結局20本を超える作品を最終話まで(中には次のクールに続くものもあるが)観てしまった。最初はもう少し多かったのだが、私の生活時間的にこれぐらいの本数が最大なのだろうね。さて、今期印象に残った声優は「花澤香菜」、もうベテランなのだが、エンディングの名前を見て「え?そうだったの?」と驚く多彩さはさすがの人気声優なのだ。

◎アポカリプスホテル
 SFコメディーというのか、いろいろ考えさせられる良い作品だった。まず、キャラクター原案が竹本泉というのが往年のファンとしては大歓喜。調べてみるとコミカライズも発表されていて、竹本泉先生が現役であることを知った。生きるということ、働くということをあらためて考えさせられた。…いや、そうでもないか。

◎薬屋のひとりごと
 ストーリー、キャラクター、作画、演出、主題歌…全てが高いレベルで完成された作品。毎週楽しみに観ていた。何よりストーリーが練り込まれている。作品の中の様々な出来事が後々の事件に繋がっていて「ああ、そういうことだったのか」と感嘆することばかりだ。ミステリィというものの真髄を教えてくれる。

◎機動戦士Gundam GQuuuuuuX
 いろんな作品が創り続けられているガンダムだからこそできた、サイドストーリーだと思う。ある意味、異世界ガンダム。最終盤の笑えるシーンも「立体映像じゃないのか」「質量の増大が確認できます」というセリフで、戦隊もので怪人が大きくなるのとは違うんだぞと主張している(笑)。


◎忍者と殺し屋のふたりぐらし

 今季最大の問題作ではなかろか。敵であっても殺さずに改心させたり法に則って罪を償わせたりするというのが最近のスタンダードなのだが、この作品ではころしやが仕事のために躊躇なく人を殺す。さすがに死体は見せないし、死んだ追手たちがあの世で楽しく暮らしているカットも入っている。それでも人を殺すことに一切の躊躇が無いのは倫理観としてどうなのかと不安になる。最後にその無表情なころしやが少し人間らしさを見せる辺り、なんだか言い訳のようでモヤモヤする。それがシャフトの個性というものかもしれないが、本当にこれでいいのか?

◎ウィッチウォッチ
 連続2クールの前半が終わった所での感想。魔女に鬼に天狗に、あれやこれや…ドタバタコメディーではあるが、主人公だけでなく、周囲の人物を深掘りして日常系のギャグで笑わせてくれる。最初は単なるラブコメかと思っていたのだが、話が進むにつれていろんなギャグが織り込まれていく懐の深い作品だった。後半も、しょうもないドタバタで笑わせてほしい。

◎阿波連さんははかれない season2
日常系ラブコメかと思いきや、かなりシュールなギャグアニメだった。season1では阿波連さんの「はかれなさ」と、二人の微妙な距離感が縮んでいく所が見どころだったが、それが解決したseason2では、「なりきり」コメディーが秀逸で、また違った感覚で楽しめた。

◎ある魔女が死ぬまで
 タイトル通り主人公のメグが死ぬ(実際は死の運命から逃れる)までの話だと思っていたら、残り半年で旅に出るところで終わってしまった。作画は低コストでやや残念だったが、物語の展開は嫌いじゃない。2クール予定が1クールで打ち切りになったような終わり方は残念だ。

○アン・シャーリー
 往年の世界名作アニメ劇場を思い出させる、シンプルな線で物語を丁寧に描いていく高品質なアニメだ。「赤毛のアン」は名作だと言われているが、夢見がちな少女が空想を楽しむ姿というのがイマイチ興味をそそらなくて敬遠していた。この歳になって、舞台となっている場所・時代に一人の女性が物おじせずに自分の気持ちを堂々と伝え、行動していく様がステキだと感じられるようになった。

○ロックは淑女の嗜みでして
 演奏シーンに迫力はあるし、インストロックへの熱い想いもひしひしと伝わってくるのだが、比較的順調に物事が進んで行ってハラハラドキドキする場面が少し足りなかったなと感じた。作画クオリティーは高くコンセプトも悪くない。だけど何か物足りないなぁ。まあ、やっとメンバーが揃ってバンド名も決まったところなので、これからかな。続きはやるのかな?

○真・侍伝 YAIBA
 主人公の声がコナンと一緒だというのが最初はちょっと気にかかっていたが、慣れたらこれはこれで悪くない。物語はどこかで観たことのある少年漫画なのだが、アクションがなかなか冴えている。童心に戻って単純にアニメを楽しむには良い作品だ。毎回人が死ぬコナンより、YAIBAの方が単純明快で楽しい。小さなお子様にもおススメ。

○ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-
 僕のヒーローアカデミアと同じ世界、同じ作画で”その他大勢”の1人にスポットを当てた、なかなか粋な作品だと思う。人の数だけ物語があるということをひしひしと感じるとともに、それをエンターテイメントとして仕上げてしまう原作者の技量に感服した。

○完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる
 こういうクールビューティーな役柄は石川由衣のはまり役だな。最後、主人公の笑顔で終わるんだろうなとはわかっていたが、それにしても笑い声無しで演じ続けるのは大変だろう。主人公は実際完璧すぎてオマケに無表情なので話が盛り上がらないところだが、妹聖女の感情的な復讐劇が対比されて物語が面白くなった、構成の上手さだと思う。

○片田舎のおっさん、剣聖になる
 原作厨からは今一つの評価だそうだが、アニメだけしか知らない私からするとなかなか楽しく観ることができた。いわゆる無自覚系最強主人公というジャンルになると思うのだが、そこに、「師匠」としての資質が加わると、展開が豊かになる。おっさんが活躍する作品は、おっさんの私には沁みるのだ。続編の制作も決定したそうで、それも楽しみに待ちたい。

○ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる
 異世界少女漫画ラブコメディーであるのだが、意外とアクションもしっかり描かれている。「ゴリラ」というのが微笑ましいところで、引っ込み思案だった少女が強く成長して憧れの先輩と結ばれる、実に純粋で前向きになれるお話だった。こういうシンプルなのがいいね。

○小市民シリーズ 第2期
 謎が解けてめでたしめでたしではない、真実を知ることで表に現れなかった人の秘めた思いを知ってしまう、奥の深い話だった。ミステリィというのはあまりアニメ向きではないかと思っていたが、要所で出てくる甘味の彩とその薀蓄(うんちく)がいい具合にマッチしていた。

○謎解きはディナーのあとで
 「お嬢様の目はふしあなですか?」と、ずけずけ言ってくる執事が結局何者なのかわからないままなのだが、ミステリーをコメディー仕立てにして気軽に見せてくれる、なかなかの良作だったと思う。推理ものなのだが、本気で考えてはいけない作品だ。

○mono
 360度カメラでもっといろいろエモい写真を撮る、クリエイティブ部活の話かと予想していたのだが、女子高生と漫画家のゆるふわ系ご当地めぐりアニメだった。オマケに「ゆるキャン△」と舞台がリンクしていて落ち着かなかった。最終回になって「シネフォト部」を思い出したようだが、これがこの作者のスタイルなのでしかたがないのかな。

○ざつ旅-That's Journey-
 これといったストーリーは無い。駆け出しの漫画家が旅をして、人との出会いや思い通りにいかないことを糧として一回り成長するという話だ。作画はかなり悪い。背景は多分写真のトレースか写真をアニメ風に加工したものだろう。ただ、行ってみたい観光地や私の地元に近いところが舞台になっていて、何となく見てしまった。ま、そういうのもありか。

○日々は過ぎれど飯うまし
 女子中学生のような女子大生がだらだらと楽しく過ごすアニメ。食べ物が美味しそうなのが良い。こういう何でもないことが幸せなんだなと思う。

○リコリス・リコイル Friends are thieves of time.
 ウエブで公開のショートアニメ、短尺ではあるが、丁寧に作ってあってちゃんと落ちも笑えるなかなかの意欲作だった。制作者にも視聴者にも愛されている作品ということがひしひしと伝わった。最終話で知ったのだが、エンディングの「花の塔」を歌っていた”さユり”は亡くなってたんだね、合掌。

○一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる
 全くタイトル通りの作品で、追放された無自覚イケメン主人公が、元気な女の子に慕われて社会の闇を晴らしていくお話。謎解きもドキドキする展開もなく、安心して観ていられる作品だった。時々作画の品質が落ちることもあったが、あまり目くじらを立てるほどのものでもなかった。

○勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~
 「よくある話」とタイトルにつけている辺り、無自覚系最強冒険者設定であることを開き直っている。ま、潔くて、何も考えず頭を空っぽにして観られる作品だった。

○Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。
 第5階梯魔法!腐敗した薔薇の香り…、中二病成分満載のダンジョン攻略物語。主人公が女の子にモテモテなのが度が過ぎているハーレムアニメ。二期制作決定だそうだが、もうおなかいっぱいだ。

2025年4月6日日曜日

2025年1~3月アニメ振り返り

 書き並べてみると、かなりの本数の作品を見ている。週末に良作が多くあり、時間が足り苦しかった一方、平日は目欲しい作品が少なく、何となく見続けてしまった作品もいくつかある。もう少しペース配分を考えて視聴するように心がけたい。ところで、 今期活躍が目に付いた声優は久野美咲と釘宮理恵、二人ともサブキャラとして個性を発揮していて、この業界に欠かせない声優だ。今後も活躍を期待したい。


◎チ。-地球の運動について-
「チ」というのは最初「地球」のことだと思っていたのだが、いろいろな解釈を経て最終的には「知」について考えさせる作品だとわかった。人は何を信じて生きるのか・死ぬのか、それを考えさせるNHKらしい良質な作品だった。

◎『アオノハコ』
キラキラして切ない青春ストーリー。自分もこんな青春を過ごしてみたかったと、おぢさんは思うのだった。特に2期は蝶野雛の失恋話で、なんだかグッとくるストーリーと映像だった。二期制作も決定したようで、楽しみに待ちたい。

◎全修。
MAPPA制作、アニメーターの夢がこれでもかというほど詰まった作品!アニメ好きな人であればあるほどこの作品に魅入っただろうし、自己投影できて爽快感が全開放されたことだろう。つまり、ナツ子の初恋はルークだったということを自覚し肯定し、その情熱に押されて新しい作品が創られていくという、クリエーター系オタクにとってはなんだか言葉では尽くせないムネアツな作品だった。

◎メダリスト
関係するクリエイターのいろいろな熱い思いを感じることのできた作品だった。登場人物を純粋に応援したくなってしまうのはその熱量がこちらにも伝わるからだろう。モーションキャプチャによるCGスケートシーンもとても自然に効果的に使われていた。いつも応援に来てくれているスケート場管理のおじさんが心情的にまるで自分だった。二期決定はうれしいが、作画が微妙に不安定な感じになってきているような気がするのは私の気のせいだうか。

○悪役令嬢転生おじさん
異世界転生ものも悪役令嬢ものも定番になってしまったが、主人公が55歳、公務員のおじさんでオタク夫婦、娘もオタク、ゲームの中に転生してしまった父を妻と娘がゲームの画面で見守るという一捻りも二捻りも効いた設定で微笑ましく楽しめた。

◎俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-
とにかくカッコイイ。アクションも、音楽も。世界観とか、未回収の謎とか、気にしだしたらいろいろと気になるところはあるのだが、そんなことはどうでもいい。とにかくカッコイイ。それで十分。

サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話
異世界転生というと、女神さまからチートな能力を授かって無双するというのがお決まりなのだが、主人公ウチムラデンノスケはサラリーマン時代の苦労を糧に難問を解決していく。肩書も「海外の駐在員」!シンフォニックな行進曲であるオープニングも、オサレなエンディングもなかなかセンスが良かった。

○花は咲く、修羅の如く
以前、放送部に関わっていたことがあるので、部活を軸に青春を駆け抜ける人物の姿がリアルに響いてきた。さすがは「響けユーフォニアム」の作者だ。ただ、これ、もっと長い話の最初の部分だけだよね。登場人物の背景がようやくわかってこれから本題に入る所での終了、あと2クールは欲しいところ。声優スゴイというのをまざまざと見せつけられた。

○Dr.STONE SCIENCE FUTURE
このクールは科学フロンティアというより、戦略対決ストーリーだった。ストーリーのテンポを上げるためにか、人間の活躍が規格外過ぎて、科学の皮を被った超人対決になってしまっている。でもそれがSFというものだ。観ていてワクワクする。続きは1クール空けて7月からとのこと。これも期待しよう。

○ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います
オープニング詐欺も甚だしいのだが、本編を別物と考えれば一つの短編作品として綺麗にまとまっている。さすがCloverworks、懐が深い。主人公がダンジョンマスターを討伐する目的が残業回避、というのがこの物語の全てで潔い。楽しませてもらったが、オープニングのストーリーも作品として是非制作して欲しいところ。

○もめんたりー・リリィ
GoHandsによるSF美少女バトルファンタジー。このスタジオは「好きな子がめがねを忘れた」でその独特なCG作画が印象に残っているが、今回はそれがさらにパワーアップした。物語の世界観や謎解きにも惹き付けられた。CGを上手に取り込んだ、今後も注目のアニメスタジオだ。

○Re:ゼロから始める異世界生活3rd season
2月になって、やっと反撃編が始まった。これまでの積み重ねがあるから、多くの登場人物が出て来ても、それらの行動原理が無理なく理解できる。作画もアクションも良いので魅入ってしまい。ストーリーも爽快だ。前クールでかなり鬱屈していたのでようやく気持ちよく楽しむことができた。

○アラフォー男の異世界通販
異世界転生して、授かったチート能力が通販スキルという、これもどこかで見た設定だ。話がうまく進み過ぎて、ファンタジーとしてのんびり観るには良いが、特に感動もない。作画もかなりチープで設定や展開もご都合主義。それでもなぜか最後まで見続けてしまった。主題歌はストーリーに似つかわずやけにカッコよかった。

空色ユーティリティ
若い女の子がおじさん趣味を楽しむアニメをおじさんが愉しむ、というよくあるパターン。だが、作画は安定しており、ストーリーにも無理が無く、気持ちがほっこりするなかなかの良作だった。

○没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた
少年が魔法のスキルを鍛え、魔獣や才能のある者(ほぼ美少女)を味方につけて理想の国を建国していくという、どこかで聞いたような話。流血するような深刻な事態にならずに圧倒的な力を背景に平和的に制圧を進めていくので気楽に観ることができた。でも、もうおなかいっぱい。

○マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~
転生した世界には魔法が無かった、そこで魔法を見つけ開発することに邁進することになった、ところが実は転生したのはその世界の、かつて滅んだ魔法が使える種族でした。魔法が使えることでその世界の救世主として活躍する未来が開けた、という話。よくあるチート転生者無双と毛色の異なる作品で、楽しめた。

△不遇職【鑑定士】が実は最強だった
不遇で仲間外れにされた冒険者が女神さまに助けられてハーレムを作って無双するという、ありがちなお話。まだ旅の目的は半分しか達成してないし。

△外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~
俺たちの戦いはこれからだ!取り立ててパッとする所がないアニメだったが、何となく見てしまった。2期があっても特に観ようという気にはなれない。

△いずれ最強の錬金術師?
異世界に転生した主人公が沢山の女の子を従えて魔法や技術を極め、その世界の人々に認められていくという、同じような話が多すぎて、どれが何の話なのか、混乱している。おまけに、話は完結せずに途切れてしまっている。何だか安直で食傷気味だ。

△戦隊レッド 異世界で冒険者になる
異世界ものと戦隊ヒーローをMIXしたという着眼点は良いのだが、シリアスなのかギャグなのかどっちつかずで、結局中途半端な印象が残ってしまった。もっと上手い構成の仕方があったのではないかと思うのだが、特に最終話はいろいろ詰め込み過ぎてどっちの方向に話が向かっているのかわからなくなってしまった。

△SAKAMOTO DAYS
いろいろと残念なアニメ。作画は稚拙だし、アクションも話の流れも今一つ納得できない。原作を知らないので何とも言えないが制作の力不足を感じる。分割2クールだそうで、突然終わってしまったが、次クールは見ないかもしれない。

わたしの幸せな結婚 第二期
 最終話となる26話(3月31日放送予定)が、制作上の都合で放送延期される。25話が一週遅れとなったので、それに伴うものだろうが、作品のクオリティはあまり落ちているように見えないので、制作側としては頑張っているんだと思う。いろいろな事情はあると思うが、きちんと納得する形で完結して欲しい。

×天久鷹央の推理カルテ
 後半になって声優によるスペシャル特番が増えてきた。作画もどんどん崩れて、「これ誰?」というレベルにまでなりつつある。残念ながら今期の失敗アニメと言わざるを得ないだろう。


◆継続中

Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。
追放者実は最強アニメ。職業がら、先生がかつての教え子に慕われるのは微笑ましい。ダンジョン攻略を配信して人気になるというのはYoutuber人気を取り入れた新しい発想だ。ただ、命を懸けてダンジョンに入る目的が、スキルアップと夢を叶えるためという軽さがちょっと物足りない。

薬屋のひとりごと 第2期
中華ミステリーとして実によく作られている。主題歌から作画、ストーリー展開、演出、そしてYoutubeのオマケ動画動画まで、制作側の並々ならぬ気概が感じられ、不安になる要素が無い。連続2クールで、後半が4月から続けて放送される。いろいろと謎が明かされるようで楽しみだ。

2025年2月1日土曜日

Gundam GQuuuuuuX

 私に似て立派なオタクに育ってしまった娘が電話で「ジークゥゥゥゥァクス観た?」と訊いてきた。スタジオカラーが制作に携わった最新のガンダムで、テレビ放送が始まったら観ようと思っていたのだが、最近ネットで流れているのが映画の話のようで、あれ?って思っていたところだった。映画館が一つしかないこの街でも上映しているということだったので観に行ってみた。朝9:50~の上映回に行ったが、観客は20名あまり、親子連れと成人が中心で、中・高校生や老人は居ない感じ。今日は2月の1日なのでファーストデー料金、\1,300だった。

 どうもネタバレ厳禁の雰囲気なので、具体的な内容については記さないが、娘が「ファーストガンダム観た?」と訊いてきた意味が分かった。この映画はこの作品とファーストガンダムの世界線の繋がり、そしてこの舞台の世界観を刷り込むための作品だった。主人公のショートカットの子、女の子だったのね。男の子のような気がしていた。それぐらいの注目度だったのだが、この映画でテレビ放送がさらに楽しみになった。

 入場時に手渡された冊子はDESIGN WORKS だそうで、設定資料集の簡易版といった感じ。しかし、カラーでしっかりした造りだ。コミケとかで売っていたらこの冊子だけでも\1,300で買ってしまいそうなクオリティだ。まず、映画で儲けようというのではなく、テレビ放映で視聴率をとるための先行投資ということなのかなぁ。

2025年1月5日日曜日

2024年10~12月アニメ振り返り

 今期は完走した作品がいつもよりやや少なかったような気がする。仕事のイベントや身内の厄介ごとがあって中断した期間に、どうしても見たい作品以外は視聴を止めてしまった。スゴイ注目作は無かったが観ているうちに、あ、こういうの好き、と自覚できる作品がいくつかあった。アニメにはアニメらしくあってほしい。単なるラノベを動画にしたものとか ××記念作品とかではなく、きちんと伝えたいことを絵と動きと物語で感じさせてほしい。そういう意味ではアニメらしい良作を見ることができたクールだったと思う。

◎戦国妖狐千魔混沌編
 時代劇バトルファンタジー!世直し姉弟編 の主人公が脇役に、敵役だった子が主人公となり、生きる意味、戦う意味について悩みながら成長していく壮大な物語だった。水上悟志の原作も当然良いのだろうが、脚本の花田十輝は今ノリに乗っているライターだ。今年放送されたシナリオは100を超えているらしい。最近、話の途中で終わってしまうアニメが多い中で、きちんと最初から最後まで物語を描き完結した、アニメのあるべき姿を体現してくれた作品だと思う、ありがとう。

◎ダンダダン
 え?これが最終回?「2期制作決定」とはあるが、こんな中途半端なところでインターバルを開けないでくれ、何なら前回を1期最終回としてくれ。今期最も熱量の高かったアニメで、作画で不安になる場面も若干あったが、予想を超える展開とアクションでずっと惹き付けてくれた。2期はよはよ。

◎メカウデ
 異世界(異次元)の機械生命体との戦いと友情、結局悪いのは傲慢な心を持った人間、という、少年漫画でよくありそうな設定とストーリーを迫力ある作画と澤野弘之の壮大な音楽で感動的に仕上げてきた、実にSFアニメらしい作品だった。こういうアニメは毎シーズン欲しいな。

○2.5次元のリリサ
 コスプレスポコン!アニメで、なかなか熱い展開だったが、終盤になってこのアニメオタクたちの出自をえぐるようなストーリー展開になってストーリーに厚みが増した。鈍感系主人公が恋に無関心なのもきちんと理由がありそうだとわかり、またそれを乗り越えて人間として成長する姿を描いていてよかった。

○ネガポジアングラー
 もっと釣りを楽しむアニメかと思っていたが、ダメ人間が釣り好きな人々と関わるうちに少し前向きになっていくという話だった。女の子はヒロインではなく、ただ釣りが人生の変わり者で、本筋はヒロとタカアキの物語だ。釣りの描写はリアルでずいぶん力が入っていたが、そこが本筋でないというある意味スゴイアニメだった。

○妻、小学生になる。
 妻が死んで10年後に小学生として現れるというストーリーをコメディーではなくシリアスに、夫婦、親子の関係はどうして築かれるものなのかと、家族関係の本質をしっかりと考えさせられた、なかなかの力作だった。パーソナリティーというのは姿かたちではないというのを作画や演出で表現できるアニメスタジオの実力も実感できた。

○転生貴族、鑑定スキルで成り上がる 第2期
 自分が最強になるのではなく、チートな能力で従えた最強の部下の活躍で勝ち上がっていくという、ある意味経営戦略ストーリーだ。部下の力を引き出すためにはリーダーの人望が無ければならないという、本質的なところもきちんと筋が通っている。こういう話はとかく会話が中心になってしまって絵が映えないのだが、周りの人物の活躍を上手く魅せて痛快な物語だった。

○株式会社マジルミエ
 魔法少女を会社業務として捉えたのが新しい視点で、物語のテンポがよく、魔法少女の活躍が楽しみだった。このクールは主人公成長としてスッキリまとめられていた。この世界観での物語の展開はいろいろと期待できそうで、制作が決定したという2期も楽しみだ。

○歴史に残る悪女になるぞ
 最終回の「そんなの私が望む"悪女"じゃない!」というセリフがこの物語の本質なのだろう。転生したからには自分が憧れていたカッコイイ女性になりたい、と、新しい人生を演じる主人公。けれど結局、この子は一人で国外追放されて何がしたいのかがよくわからない。

・君は冥土様。
 元殺し屋がメイドとして押し掛けてくるという、現実にはあり得ない設定がファンタジーなのだが、そこさえ受け入れてしまえば、無自覚押しかけ女房ものとしてなかなか面白いラブコメだった。だが、設定(世界観?)がありえなさ過ぎて、今一つ物語に入り込めなかったのが残念。作画は安定していて良かったんだけどな。

・魔法使いになれなかった女の子の話
 パステルカラーの絵本のような魔法世界ファンタジー。作画枚数は少ないがそれぞれのカットが絵本の1ページのようでほのぼのと楽しむことができた。最後の引きが、物語の続きを予感させるが、原作小説があるという訳ではなさそうだ。上手くいけば続編も…ということなのだろうが、制作側の思惑でひっかきまわすのではなく、それこそ、絵本のシリーズにでもしてほしい。

・パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき
 ヒロインのナルセイナが元気で可愛い。ただそれだけで1クール完走してしまった。ストーリーは凡庸で作画もいろいろと気になる所があったが、ヒロインだけは常に可愛く元気にふるまっていた。そんなアニメがあってもいいさ。

・ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインII
 ゲームとはいえ、女の子たちが銃で殺しあう、何とも殺伐とした世界だ。バトルゲームに馴染んでいる人たちには違和感はないのかもしれないが、ゲームをほとんどやらない私には正直、救いを見いだせないストーリーだった。


※まだ途中で評価が定まらない作品

○チ。 ―地球の運動について―
 NHKらしい歴史科学アニメ。拷問シーンとかは刺激が強すぎて小学生には見せられない。しかし、過去にはこんな理不尽なことも実際にあったわけだし、現在でも地球上のどこかではこれに類するようなことがきっと行われているのだろう。過去を、現実をきちんと直視することの困難さと、真理の追及に勇気が必要なことを教えてくれる。

○アオのハコ
 爽やか青春ストーリー。部活に打ち込む高校生の、部活と恋愛だけではないリアルな学校生活の様々な営みを丁寧に描き出している。自分の高校生時代を振り返ると、いろいろと大変なこともあって早く大人になって独り立ちしたいと思っていたが、今にして思えば、様々な可能性が広がっていてどんな方向にでも進むことができた、かけがえのない年代だったなぁと懐かしく羨ましく、そして少しの後悔も湧き上がってしまう、そんな作品だ。

○るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱
 人気漫画・アニメのリメイク作品。前作をほとんど見ていないので、オリジナル作品として楽しめた。時代劇なので、特に古さは感じられないところが良いセレクトだったと思う。あと1クールぐらい続くようで、だんだん盛り上がってきたところ。

○「Re:ゼロから始める異世界生活」3rd season
 観るのに勇気が要るグロい場面もあるのだが、それを乗り越えて何度も失敗しながら完走ルートを切り拓いていくのがこの作品のスタイルだ。今回も観ていて辛い場面がいくつもあるが、やっと反撃が始まったと思ったところで過去回の再放送が続いている。速くスッキリさせてくれ。