2025年7月7日月曜日

2025年4~6月アニメ振り返り

 毎週楽しみに観ていた作品と、なんとなく観ていた作品があるが、結局20本を超える作品を最終話まで(中には次のクールに続くものもあるが)観てしまった。最初はもう少し多かったのだが、私の生活時間的にこれぐらいの本数が最大なのだろうね。さて、今期印象に残った声優は「花澤香菜」、もうベテランなのだが、エンディングの名前を見て「え?そうだったの?」と驚く多彩さはさすがの人気声優なのだ。

◎アポカリプスホテル
 SFコメディーというのか、いろいろ考えさせられる良い作品だった。まず、キャラクター原案が竹本泉というのが往年のファンとしては大歓喜。調べてみるとコミカライズも発表されていて、竹本泉先生が現役であることを知った。生きるということ、働くということをあらためて考えさせられた。…いや、そうでもないか。

◎薬屋のひとりごと
 ストーリー、キャラクター、作画、演出、主題歌…全てが高いレベルで完成された作品。毎週楽しみに観ていた。何よりストーリーが練り込まれている。作品の中の様々な出来事が後々の事件に繋がっていて「ああ、そういうことだったのか」と感嘆することばかりだ。ミステリィというものの真髄を教えてくれる。

◎機動戦士Gundam GQuuuuuuX
 いろんな作品が創り続けられているガンダムだからこそできた、サイドストーリーだと思う。ある意味、異世界ガンダム。最終盤の笑えるシーンも「立体映像じゃないのか」「質量の増大が確認できます」というセリフで、戦隊もので怪人が大きくなるのとは違うんだぞと主張している(笑)。


◎忍者と殺し屋のふたりぐらし

 今季最大の問題作ではなかろか。敵であっても殺さずに改心させたり法に則って罪を償わせたりするというのが最近のスタンダードなのだが、この作品ではころしやが仕事のために躊躇なく人を殺す。さすがに死体は見せないし、死んだ追手たちがあの世で楽しく暮らしているカットも入っている。それでも人を殺すことに一切の躊躇が無いのは倫理観としてどうなのかと不安になる。最後にその無表情なころしやが少し人間らしさを見せる辺り、なんだか言い訳のようでモヤモヤする。それがシャフトの個性というものかもしれないが、本当にこれでいいのか?

◎ウィッチウォッチ
 連続2クールの前半が終わった所での感想。魔女に鬼に天狗に、あれやこれや…ドタバタコメディーではあるが、主人公だけでなく、周囲の人物を深掘りして日常系のギャグで笑わせてくれる。最初は単なるラブコメかと思っていたのだが、話が進むにつれていろんなギャグが織り込まれていく懐の深い作品だった。後半も、しょうもないドタバタで笑わせてほしい。

◎阿波連さんははかれない season2
日常系ラブコメかと思いきや、かなりシュールなギャグアニメだった。season1では阿波連さんの「はかれなさ」と、二人の微妙な距離感が縮んでいく所が見どころだったが、それが解決したseason2では、「なりきり」コメディーが秀逸で、また違った感覚で楽しめた。

◎ある魔女が死ぬまで
 タイトル通り主人公のメグが死ぬ(実際は死の運命から逃れる)までの話だと思っていたら、残り半年で旅に出るところで終わってしまった。作画は低コストでやや残念だったが、物語の展開は嫌いじゃない。2クール予定が1クールで打ち切りになったような終わり方は残念だ。

○アン・シャーリー
 往年の世界名作アニメ劇場を思い出させる、シンプルな線で物語を丁寧に描いていく高品質なアニメだ。「赤毛のアン」は名作だと言われているが、夢見がちな少女が空想を楽しむ姿というのがイマイチ興味をそそらなくて敬遠していた。この歳になって、舞台となっている場所・時代に一人の女性が物おじせずに自分の気持ちを堂々と伝え、行動していく様がステキだと感じられるようになった。

○ロックは淑女の嗜みでして
 演奏シーンに迫力はあるし、インストロックへの熱い想いもひしひしと伝わってくるのだが、比較的順調に物事が進んで行ってハラハラドキドキする場面が少し足りなかったなと感じた。作画クオリティーは高くコンセプトも悪くない。だけど何か物足りないなぁ。まあ、やっとメンバーが揃ってバンド名も決まったところなので、これからかな。続きはやるのかな?

○真・侍伝 YAIBA
 主人公の声がコナンと一緒だというのが最初はちょっと気にかかっていたが、慣れたらこれはこれで悪くない。物語はどこかで観たことのある少年漫画なのだが、アクションがなかなか冴えている。童心に戻って単純にアニメを楽しむには良い作品だ。毎回人が死ぬコナンより、YAIBAの方が単純明快で楽しい。小さなお子様にもおススメ。

○ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-
 僕のヒーローアカデミアと同じ世界、同じ作画で”その他大勢”の1人にスポットを当てた、なかなか粋な作品だと思う。人の数だけ物語があるということをひしひしと感じるとともに、それをエンターテイメントとして仕上げてしまう原作者の技量に感服した。

○完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる
 こういうクールビューティーな役柄は石川由衣のはまり役だな。最後、主人公の笑顔で終わるんだろうなとはわかっていたが、それにしても笑い声無しで演じ続けるのは大変だろう。主人公は実際完璧すぎてオマケに無表情なので話が盛り上がらないところだが、妹聖女の感情的な復讐劇が対比されて物語が面白くなった、構成の上手さだと思う。

○片田舎のおっさん、剣聖になる
 原作厨からは今一つの評価だそうだが、アニメだけしか知らない私からするとなかなか楽しく観ることができた。いわゆる無自覚系最強主人公というジャンルになると思うのだが、そこに、「師匠」としての資質が加わると、展開が豊かになる。おっさんが活躍する作品は、おっさんの私には沁みるのだ。続編の制作も決定したそうで、それも楽しみに待ちたい。

○ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる
 異世界少女漫画ラブコメディーであるのだが、意外とアクションもしっかり描かれている。「ゴリラ」というのが微笑ましいところで、引っ込み思案だった少女が強く成長して憧れの先輩と結ばれる、実に純粋で前向きになれるお話だった。こういうシンプルなのがいいね。

○小市民シリーズ 第2期
 謎が解けてめでたしめでたしではない、真実を知ることで表に現れなかった人の秘めた思いを知ってしまう、奥の深い話だった。ミステリィというのはあまりアニメ向きではないかと思っていたが、要所で出てくる甘味の彩とその薀蓄(うんちく)がいい具合にマッチしていた。

○謎解きはディナーのあとで
 「お嬢様の目はふしあなですか?」と、ずけずけ言ってくる執事が結局何者なのかわからないままなのだが、ミステリーをコメディー仕立てにして気軽に見せてくれる、なかなかの良作だったと思う。推理ものなのだが、本気で考えてはいけない作品だ。

○mono
 360度カメラでもっといろいろエモい写真を撮る、クリエイティブ部活の話かと予想していたのだが、女子高生と漫画家のゆるふわ系ご当地めぐりアニメだった。オマケに「ゆるキャン△」と舞台がリンクしていて落ち着かなかった。最終回になって「シネフォト部」を思い出したようだが、これがこの作者のスタイルなのでしかたがないのかな。

○ざつ旅-That's Journey-
 これといったストーリーは無い。駆け出しの漫画家が旅をして、人との出会いや思い通りにいかないことを糧として一回り成長するという話だ。作画はかなり悪い。背景は多分写真のトレースか写真をアニメ風に加工したものだろう。ただ、行ってみたい観光地や私の地元に近いところが舞台になっていて、何となく見てしまった。ま、そういうのもありか。

○日々は過ぎれど飯うまし
 女子中学生のような女子大生がだらだらと楽しく過ごすアニメ。食べ物が美味しそうなのが良い。こういう何でもないことが幸せなんだなと思う。

○リコリス・リコイル Friends are thieves of time.
 ウエブで公開のショートアニメ、短尺ではあるが、丁寧に作ってあってちゃんと落ちも笑えるなかなかの意欲作だった。制作者にも視聴者にも愛されている作品ということがひしひしと伝わった。最終話で知ったのだが、エンディングの「花の塔」を歌っていた”さユり”は亡くなってたんだね、合掌。

○一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる
 全くタイトル通りの作品で、追放された無自覚イケメン主人公が、元気な女の子に慕われて社会の闇を晴らしていくお話。謎解きもドキドキする展開もなく、安心して観ていられる作品だった。時々作画の品質が落ちることもあったが、あまり目くじらを立てるほどのものでもなかった。

○勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~
 「よくある話」とタイトルにつけている辺り、無自覚系最強冒険者設定であることを開き直っている。ま、潔くて、何も考えず頭を空っぽにして観られる作品だった。

○Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。
 第5階梯魔法!腐敗した薔薇の香り…、中二病成分満載のダンジョン攻略物語。主人公が女の子にモテモテなのが度が過ぎているハーレムアニメ。二期制作決定だそうだが、もうおなかいっぱいだ。

2025年4月6日日曜日

2025年1~3月アニメ振り返り

 書き並べてみると、かなりの本数の作品を見ている。週末に良作が多くあり、時間が足り苦しかった一方、平日は目欲しい作品が少なく、何となく見続けてしまった作品もいくつかある。もう少しペース配分を考えて視聴するように心がけたい。ところで、 今期活躍が目に付いた声優は久野美咲と釘宮理恵、二人ともサブキャラとして個性を発揮していて、この業界に欠かせない声優だ。今後も活躍を期待したい。


◎チ。-地球の運動について-
「チ」というのは最初「地球」のことだと思っていたのだが、いろいろな解釈を経て最終的には「知」について考えさせる作品だとわかった。人は何を信じて生きるのか・死ぬのか、それを考えさせるNHKらしい良質な作品だった。

◎『アオノハコ』
キラキラして切ない青春ストーリー。自分もこんな青春を過ごしてみたかったと、おぢさんは思うのだった。特に2期は蝶野雛の失恋話で、なんだかグッとくるストーリーと映像だった。二期制作も決定したようで、楽しみに待ちたい。

◎全修。
MAPPA制作、アニメーターの夢がこれでもかというほど詰まった作品!アニメ好きな人であればあるほどこの作品に魅入っただろうし、自己投影できて爽快感が全開放されたことだろう。つまり、ナツ子の初恋はルークだったということを自覚し肯定し、その情熱に押されて新しい作品が創られていくという、クリエーター系オタクにとってはなんだか言葉では尽くせないムネアツな作品だった。

◎メダリスト
関係するクリエイターのいろいろな熱い思いを感じることのできた作品だった。登場人物を純粋に応援したくなってしまうのはその熱量がこちらにも伝わるからだろう。モーションキャプチャによるCGスケートシーンもとても自然に効果的に使われていた。いつも応援に来てくれているスケート場管理のおじさんが心情的にまるで自分だった。二期決定はうれしいが、作画が微妙に不安定な感じになってきているような気がするのは私の気のせいだうか。

○悪役令嬢転生おじさん
異世界転生ものも悪役令嬢ものも定番になってしまったが、主人公が55歳、公務員のおじさんでオタク夫婦、娘もオタク、ゲームの中に転生してしまった父を妻と娘がゲームの画面で見守るという一捻りも二捻りも効いた設定で微笑ましく楽しめた。

◎俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-
とにかくカッコイイ。アクションも、音楽も。世界観とか、未回収の謎とか、気にしだしたらいろいろと気になるところはあるのだが、そんなことはどうでもいい。とにかくカッコイイ。それで十分。

サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話
異世界転生というと、女神さまからチートな能力を授かって無双するというのがお決まりなのだが、主人公ウチムラデンノスケはサラリーマン時代の苦労を糧に難問を解決していく。肩書も「海外の駐在員」!シンフォニックな行進曲であるオープニングも、オサレなエンディングもなかなかセンスが良かった。

○花は咲く、修羅の如く
以前、放送部に関わっていたことがあるので、部活を軸に青春を駆け抜ける人物の姿がリアルに響いてきた。さすがは「響けユーフォニアム」の作者だ。ただ、これ、もっと長い話の最初の部分だけだよね。登場人物の背景がようやくわかってこれから本題に入る所での終了、あと2クールは欲しいところ。声優スゴイというのをまざまざと見せつけられた。

○Dr.STONE SCIENCE FUTURE
このクールは科学フロンティアというより、戦略対決ストーリーだった。ストーリーのテンポを上げるためにか、人間の活躍が規格外過ぎて、科学の皮を被った超人対決になってしまっている。でもそれがSFというものだ。観ていてワクワクする。続きは1クール空けて7月からとのこと。これも期待しよう。

○ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います
オープニング詐欺も甚だしいのだが、本編を別物と考えれば一つの短編作品として綺麗にまとまっている。さすがCloverworks、懐が深い。主人公がダンジョンマスターを討伐する目的が残業回避、というのがこの物語の全てで潔い。楽しませてもらったが、オープニングのストーリーも作品として是非制作して欲しいところ。

○もめんたりー・リリィ
GoHandsによるSF美少女バトルファンタジー。このスタジオは「好きな子がめがねを忘れた」でその独特なCG作画が印象に残っているが、今回はそれがさらにパワーアップした。物語の世界観や謎解きにも惹き付けられた。CGを上手に取り込んだ、今後も注目のアニメスタジオだ。

○Re:ゼロから始める異世界生活3rd season
2月になって、やっと反撃編が始まった。これまでの積み重ねがあるから、多くの登場人物が出て来ても、それらの行動原理が無理なく理解できる。作画もアクションも良いので魅入ってしまい。ストーリーも爽快だ。前クールでかなり鬱屈していたのでようやく気持ちよく楽しむことができた。

○アラフォー男の異世界通販
異世界転生して、授かったチート能力が通販スキルという、これもどこかで見た設定だ。話がうまく進み過ぎて、ファンタジーとしてのんびり観るには良いが、特に感動もない。作画もかなりチープで設定や展開もご都合主義。それでもなぜか最後まで見続けてしまった。主題歌はストーリーに似つかわずやけにカッコよかった。

空色ユーティリティ
若い女の子がおじさん趣味を楽しむアニメをおじさんが愉しむ、というよくあるパターン。だが、作画は安定しており、ストーリーにも無理が無く、気持ちがほっこりするなかなかの良作だった。

○没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた
少年が魔法のスキルを鍛え、魔獣や才能のある者(ほぼ美少女)を味方につけて理想の国を建国していくという、どこかで聞いたような話。流血するような深刻な事態にならずに圧倒的な力を背景に平和的に制圧を進めていくので気楽に観ることができた。でも、もうおなかいっぱい。

○マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~
転生した世界には魔法が無かった、そこで魔法を見つけ開発することに邁進することになった、ところが実は転生したのはその世界の、かつて滅んだ魔法が使える種族でした。魔法が使えることでその世界の救世主として活躍する未来が開けた、という話。よくあるチート転生者無双と毛色の異なる作品で、楽しめた。

△不遇職【鑑定士】が実は最強だった
不遇で仲間外れにされた冒険者が女神さまに助けられてハーレムを作って無双するという、ありがちなお話。まだ旅の目的は半分しか達成してないし。

△外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~
俺たちの戦いはこれからだ!取り立ててパッとする所がないアニメだったが、何となく見てしまった。2期があっても特に観ようという気にはなれない。

△いずれ最強の錬金術師?
異世界に転生した主人公が沢山の女の子を従えて魔法や技術を極め、その世界の人々に認められていくという、同じような話が多すぎて、どれが何の話なのか、混乱している。おまけに、話は完結せずに途切れてしまっている。何だか安直で食傷気味だ。

△戦隊レッド 異世界で冒険者になる
異世界ものと戦隊ヒーローをMIXしたという着眼点は良いのだが、シリアスなのかギャグなのかどっちつかずで、結局中途半端な印象が残ってしまった。もっと上手い構成の仕方があったのではないかと思うのだが、特に最終話はいろいろ詰め込み過ぎてどっちの方向に話が向かっているのかわからなくなってしまった。

△SAKAMOTO DAYS
いろいろと残念なアニメ。作画は稚拙だし、アクションも話の流れも今一つ納得できない。原作を知らないので何とも言えないが制作の力不足を感じる。分割2クールだそうで、突然終わってしまったが、次クールは見ないかもしれない。

わたしの幸せな結婚 第二期
 最終話となる26話(3月31日放送予定)が、制作上の都合で放送延期される。25話が一週遅れとなったので、それに伴うものだろうが、作品のクオリティはあまり落ちているように見えないので、制作側としては頑張っているんだと思う。いろいろな事情はあると思うが、きちんと納得する形で完結して欲しい。

×天久鷹央の推理カルテ
 後半になって声優によるスペシャル特番が増えてきた。作画もどんどん崩れて、「これ誰?」というレベルにまでなりつつある。残念ながら今期の失敗アニメと言わざるを得ないだろう。


◆継続中

Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。
追放者実は最強アニメ。職業がら、先生がかつての教え子に慕われるのは微笑ましい。ダンジョン攻略を配信して人気になるというのはYoutuber人気を取り入れた新しい発想だ。ただ、命を懸けてダンジョンに入る目的が、スキルアップと夢を叶えるためという軽さがちょっと物足りない。

薬屋のひとりごと 第2期
中華ミステリーとして実によく作られている。主題歌から作画、ストーリー展開、演出、そしてYoutubeのオマケ動画動画まで、制作側の並々ならぬ気概が感じられ、不安になる要素が無い。連続2クールで、後半が4月から続けて放送される。いろいろと謎が明かされるようで楽しみだ。

2025年2月1日土曜日

Gundam GQuuuuuuX

 私に似て立派なオタクに育ってしまった娘が電話で「ジークゥゥゥゥァクス観た?」と訊いてきた。スタジオカラーが制作に携わった最新のガンダムで、テレビ放送が始まったら観ようと思っていたのだが、最近ネットで流れているのが映画の話のようで、あれ?って思っていたところだった。映画館が一つしかないこの街でも上映しているということだったので観に行ってみた。朝9:50~の上映回に行ったが、観客は20名あまり、親子連れと成人が中心で、中・高校生や老人は居ない感じ。今日は2月の1日なのでファーストデー料金、\1,300だった。

 どうもネタバレ厳禁の雰囲気なので、具体的な内容については記さないが、娘が「ファーストガンダム観た?」と訊いてきた意味が分かった。この映画はこの作品とファーストガンダムの世界線の繋がり、そしてこの舞台の世界観を刷り込むための作品だった。主人公のショートカットの子、女の子だったのね。男の子のような気がしていた。それぐらいの注目度だったのだが、この映画でテレビ放送がさらに楽しみになった。

 入場時に手渡された冊子はDESIGN WORKS だそうで、設定資料集の簡易版といった感じ。しかし、カラーでしっかりした造りだ。コミケとかで売っていたらこの冊子だけでも\1,300で買ってしまいそうなクオリティだ。まず、映画で儲けようというのではなく、テレビ放映で視聴率をとるための先行投資ということなのかなぁ。

2025年1月5日日曜日

2024年10~12月アニメ振り返り

 今期は完走した作品がいつもよりやや少なかったような気がする。仕事のイベントや身内の厄介ごとがあって中断した期間に、どうしても見たい作品以外は視聴を止めてしまった。スゴイ注目作は無かったが観ているうちに、あ、こういうの好き、と自覚できる作品がいくつかあった。アニメにはアニメらしくあってほしい。単なるラノベを動画にしたものとか ××記念作品とかではなく、きちんと伝えたいことを絵と動きと物語で感じさせてほしい。そういう意味ではアニメらしい良作を見ることができたクールだったと思う。

◎戦国妖狐千魔混沌編
 時代劇バトルファンタジー!世直し姉弟編 の主人公が脇役に、敵役だった子が主人公となり、生きる意味、戦う意味について悩みながら成長していく壮大な物語だった。水上悟志の原作も当然良いのだろうが、脚本の花田十輝は今ノリに乗っているライターだ。今年放送されたシナリオは100を超えているらしい。最近、話の途中で終わってしまうアニメが多い中で、きちんと最初から最後まで物語を描き完結した、アニメのあるべき姿を体現してくれた作品だと思う、ありがとう。

◎ダンダダン
 え?これが最終回?「2期制作決定」とはあるが、こんな中途半端なところでインターバルを開けないでくれ、何なら前回を1期最終回としてくれ。今期最も熱量の高かったアニメで、作画で不安になる場面も若干あったが、予想を超える展開とアクションでずっと惹き付けてくれた。2期はよはよ。

◎メカウデ
 異世界(異次元)の機械生命体との戦いと友情、結局悪いのは傲慢な心を持った人間、という、少年漫画でよくありそうな設定とストーリーを迫力ある作画と澤野弘之の壮大な音楽で感動的に仕上げてきた、実にSFアニメらしい作品だった。こういうアニメは毎シーズン欲しいな。

○2.5次元のリリサ
 コスプレスポコン!アニメで、なかなか熱い展開だったが、終盤になってこのアニメオタクたちの出自をえぐるようなストーリー展開になってストーリーに厚みが増した。鈍感系主人公が恋に無関心なのもきちんと理由がありそうだとわかり、またそれを乗り越えて人間として成長する姿を描いていてよかった。

○ネガポジアングラー
 もっと釣りを楽しむアニメかと思っていたが、ダメ人間が釣り好きな人々と関わるうちに少し前向きになっていくという話だった。女の子はヒロインではなく、ただ釣りが人生の変わり者で、本筋はヒロとタカアキの物語だ。釣りの描写はリアルでずいぶん力が入っていたが、そこが本筋でないというある意味スゴイアニメだった。

○妻、小学生になる。
 妻が死んで10年後に小学生として現れるというストーリーをコメディーではなくシリアスに、夫婦、親子の関係はどうして築かれるものなのかと、家族関係の本質をしっかりと考えさせられた、なかなかの力作だった。パーソナリティーというのは姿かたちではないというのを作画や演出で表現できるアニメスタジオの実力も実感できた。

○転生貴族、鑑定スキルで成り上がる 第2期
 自分が最強になるのではなく、チートな能力で従えた最強の部下の活躍で勝ち上がっていくという、ある意味経営戦略ストーリーだ。部下の力を引き出すためにはリーダーの人望が無ければならないという、本質的なところもきちんと筋が通っている。こういう話はとかく会話が中心になってしまって絵が映えないのだが、周りの人物の活躍を上手く魅せて痛快な物語だった。

○株式会社マジルミエ
 魔法少女を会社業務として捉えたのが新しい視点で、物語のテンポがよく、魔法少女の活躍が楽しみだった。このクールは主人公成長としてスッキリまとめられていた。この世界観での物語の展開はいろいろと期待できそうで、制作が決定したという2期も楽しみだ。

○歴史に残る悪女になるぞ
 最終回の「そんなの私が望む"悪女"じゃない!」というセリフがこの物語の本質なのだろう。転生したからには自分が憧れていたカッコイイ女性になりたい、と、新しい人生を演じる主人公。けれど結局、この子は一人で国外追放されて何がしたいのかがよくわからない。

・君は冥土様。
 元殺し屋がメイドとして押し掛けてくるという、現実にはあり得ない設定がファンタジーなのだが、そこさえ受け入れてしまえば、無自覚押しかけ女房ものとしてなかなか面白いラブコメだった。だが、設定(世界観?)がありえなさ過ぎて、今一つ物語に入り込めなかったのが残念。作画は安定していて良かったんだけどな。

・魔法使いになれなかった女の子の話
 パステルカラーの絵本のような魔法世界ファンタジー。作画枚数は少ないがそれぞれのカットが絵本の1ページのようでほのぼのと楽しむことができた。最後の引きが、物語の続きを予感させるが、原作小説があるという訳ではなさそうだ。上手くいけば続編も…ということなのだろうが、制作側の思惑でひっかきまわすのではなく、それこそ、絵本のシリーズにでもしてほしい。

・パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき
 ヒロインのナルセイナが元気で可愛い。ただそれだけで1クール完走してしまった。ストーリーは凡庸で作画もいろいろと気になる所があったが、ヒロインだけは常に可愛く元気にふるまっていた。そんなアニメがあってもいいさ。

・ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインII
 ゲームとはいえ、女の子たちが銃で殺しあう、何とも殺伐とした世界だ。バトルゲームに馴染んでいる人たちには違和感はないのかもしれないが、ゲームをほとんどやらない私には正直、救いを見いだせないストーリーだった。


※まだ途中で評価が定まらない作品

○チ。 ―地球の運動について―
 NHKらしい歴史科学アニメ。拷問シーンとかは刺激が強すぎて小学生には見せられない。しかし、過去にはこんな理不尽なことも実際にあったわけだし、現在でも地球上のどこかではこれに類するようなことがきっと行われているのだろう。過去を、現実をきちんと直視することの困難さと、真理の追及に勇気が必要なことを教えてくれる。

○アオのハコ
 爽やか青春ストーリー。部活に打ち込む高校生の、部活と恋愛だけではないリアルな学校生活の様々な営みを丁寧に描き出している。自分の高校生時代を振り返ると、いろいろと大変なこともあって早く大人になって独り立ちしたいと思っていたが、今にして思えば、様々な可能性が広がっていてどんな方向にでも進むことができた、かけがえのない年代だったなぁと懐かしく羨ましく、そして少しの後悔も湧き上がってしまう、そんな作品だ。

○るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱
 人気漫画・アニメのリメイク作品。前作をほとんど見ていないので、オリジナル作品として楽しめた。時代劇なので、特に古さは感じられないところが良いセレクトだったと思う。あと1クールぐらい続くようで、だんだん盛り上がってきたところ。

○「Re:ゼロから始める異世界生活」3rd season
 観るのに勇気が要るグロい場面もあるのだが、それを乗り越えて何度も失敗しながら完走ルートを切り拓いていくのがこの作品のスタイルだ。今回も観ていて辛い場面がいくつもあるが、やっと反撃が始まったと思ったところで過去回の再放送が続いている。速くスッキリさせてくれ。

2024年10月5日土曜日

2024年7~9月アニメ 振り返り

 このクールは気になるアニメが週末に集中しすぎていて、土日にアニメを見る時間が多くなりすぎた感がある。もっとバランスよく良作が各曜日にばらけていると良いのだが。


◎杖と剣のウィストリア
 今季最高に熱いバトルファンタジー!逆境にある主人公が唯一つの熱い思いに従って努力し夢を追い続ける。ライバルたちも主人公の一途な思いとそれが形になっていく様を見て心を開き、仲間になっていく。対立の象徴だと思っていた杖と剣が一つになって最強の力を顕現する。ああ、熱いなぁ、これが少年漫画だよなぁ!!!

◎負けヒロインが多すぎる!
 学園ラブコメの皮を被った青春群像劇。キャラクターが生き生きと動いているし、主人公の温水(ぬくみず)も万能なできるヤツでもなく、悩みや葛藤を抱えているけれども、負けヒロインたちと共に成長している。それぞれのキャラクターが魅力的でそのひたむきな姿が美しい。


◎逃げ上手の若君
 時代物をこんなに現代風にエンターテイメントに仕上げてくることができるとは、さすがの原作とCloverWorksの仕事だ。最近、中世ヨーロッパ風の世界の異世界ものが氾濫しているのだが、日本の時代劇要素を取り入れると面白いものができるのになぁとかねがね思っていた。それを私の期待をはるかに上回るクオリティーで作品に仕上げている。続き、はよはよ。

◎戦国妖狐 千魔混沌編
 まさか、第1クールの敵の小僧が第2クールの主人公になるとは思いもしなかった。時代劇怪異ファンタジー、次々と新しい展開になって先が読めない。王道少年漫画でワクワクする。

◎時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん
 上坂すみれがロシア語話せるというのはずいぶん前に何かで読んだことがあるが、それがこの伏線だったとは。ネットではアーリャのロシア語が本物じゃないとディスられているようだが、ロシア語吹替をしているわけではないのだから筋違いの批判だと思う。スカートが短すぎるのが目の毒だったが、なかなか楽しめる学園ドラマだった。二期も楽しみだ。

◎NieR:Automata Ver1.1a 第2クール
 第1クールは知っている筋書きばかりで、期待していたほどではなかったというのが正直な所だったが、第2クールはアンドロイドが戦う世界の謎解きになっていて、重い話ではあるがその奥深い世界観に惹き付けられた。さすが世界的に人気のゲームだと納得させられるストーリーだった。

◎【推しの子】第2期
 東京ブレイド編は劇中劇を題材で、正直期待していなかったのだが、にこれほど盛り上げてくれるとは良い意味で期待を裏切られた。さすが人気の原作と実力のあるアニメスタジオ「動画工房」。唯一、主題歌(オープニング)が自分にとってはピンとこないな。エンディングの方は作品の雰囲気に合っていて良い。

○2.5次元の誘惑
 コスプレをテーマとしたスポコンアニメ。どうも2クールありそうだ。エロゲ(?)のヒロインに純粋無垢に傾倒してコスプレまで始めてしまったヒロインという、2次元オタクからすると理想の女の子を中心としたムネアツなストーリー。話がいろいろと都合よすぎる嫌いはあるが、何か観ていて気持ちが良い。リリサの一途さが良いんだろうな。

俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~
 毎回のサブタイトルが「俺は○○をパリィする」。○○が勘違いで毎回笑わせる。無自覚系チート主人公ストーリーだ。勘違い具合が嫌味が無くて爽やかなのが良い。

ラーメン赤猫
 最近毎シーズン1本ぐらいある猫アニメ。猫がしゃべってラーメン屋を経営しているというファンタジーが、「もしかしたらそんなことがあるのかも」と思わせる自然な展開で描かれている。実際はネコを通して人のつながりや日常の悩みの解決がストーリーの柱だ。CGによるややぎこちなさのある映像も、絵本を見ているようで味に思えた。

疑似ハーレム
 早見沙織の魅力満載の学園ラブコメ…かと思いきや、先輩が卒業して話が大きく展開…するかと思ったら、相変わらずのラブラブ進行だった。意地悪するライバルや二人の心のすれ違いなどのネガティブ要素が無く、若いカップルのイチャイチャを微笑ましく楽しめる作品だった。

僕の妻は感情がない
最近多い、陰キャ男子がロボットの嫁さんで夢を実現していく物語…かと思ったが、現実的には否定的に捉えられそうなことがらを、本人は気にしているのに周囲は意外と優しく受け入れてくれるという、心の痛まない物語だった。現実に、初音ミクを嫁さんにしている男性もいる訳で、近い将来現実問題として考えなければならない事なのかなぁと考えてしまった。

かつて魔法少女と悪は敵対していた。
 悪の参謀と魔法少女のモノローグを中心に話が進んで行く、ゆるふわラブコメディー。15分番組なのだが、短いとも長いとも感じない、ちょうど良い長さ。話は全く進展しないのだが、その繰り返しが心地よい。薄幸魔法少女可愛い。

先輩はおとこのこ
 専門用語を使えば「性同一障害」のおとこのこを中心として、幼馴染の男子と、自分のあり方に悩む女子の三者の関係と心の動きを描いた作品。おとこのこが話の中心かと思いきや、彼にどう対応すればよいのかという戸惑いや自分が普通じゃないという心の葛藤、そして家族との関係について描いている。今の時代の若者の悩みをストレートに描いた良作だと思う。

ダンジョンの中のひと
 ロールプレイングゲームとかでよくあるダンジョン探索、その起源が何かもよく知らないまま、物語の舞台として受け入れてしまっているのだが、その裏側を合理的に説明しようとした一つの謎解き物語。とても軽いタッチで記されているので、マジックの種を覗き見ているような感覚で興味深く観ることができた。

転生したらスライムだった3期
 2期は政治話が多くて見ていなかった。3期も最初の辺りは動きが少ない政治交渉話が多くてあまり興味が乗らなかったが、ヒナタサカグチとの戦い辺りから開国祭にかけて面白くなってきた。作画は安定しているし動きも良い。異世界転生王国構築話として興味深く楽しんだ。

この世界は不完全すぎる
 ゲームの世界から出られなくなる、というのはSAOと同じ発想なのだが、そこに、ゲームのバグやデバッガ―、メタAIとの関係を持ち込んで、単純にゲーム攻略を目指す物語でなくしているのがこの物語のオリジナリティで、なかなか面白い。

小市民シリーズ
 ヒロインが謎過ぎて、いろいろな事件が謎解きされていく中、何だか引っかかっていたものが終盤ではじけていった。本筋はとても重いストーリーだ。小説だと、この複雑さが深みになってよいのだろうが、テレビアニメのテンポではちょっと重すぎる感じがする。「氷菓」みたいにもっと軽いテイストの方がテレビ向きだな。

・しかのこのこのここしたんたん
 今季最大の問題作と期待されていた美少女ギャグアニメ。放送開始前の期待度が高くて、実際放送されてみるとそこまで大爆笑とも言えない不条理ギャグアニメだった。CGのモブシカの違和感がカオス感を醸している所が他のアニメと一線を画す所だった。いやぁ、本当に中身のないアニメだった。←誉め言葉

真夜中ぱんチ
 Youtuber×吸血鬼のドタバタコメディー、小学生のなりたい職業の上位につけるYoutuber,しかし、ネットの闇の怖さも色々伝え聞く。その最先端のお仕事現場と、カビの生えた古(いにしえ)の恐怖の存在である吸血鬼が交わるとどうなるか。制作はPA Works、安心の作画と構成、最終話にいろいろ詰め込み過ぎた感あり。

SHY 東京奪還編
 うじうじしてはっきりしない、それが「SHY」なのだろう。どこかで吹っ切れてくれると期待していたが、そんなに簡単に人の性(さが)が変わる訳ではない。ヒーローらしくないヒーローというのがSHYのコンセプトなのかな。ヒロアカなどとは違う、ある意味女の子らしいヒーローものなのかもしれない。

狼と香辛料
 異世界転生ではない、かつて地球上のどこかにあったかもしれない世界の物語。そうだよ、無理に異世界に転生したり、現世界とつながりを求めなくても、きちんとした世界観とその中で納得のいく物語が紡がれればそれで良いのだ。

魔導具師ダリヤはうつむかない
 転生人生やり直し話だが、別に転生設定にしなくても魅力的な話になるのにと思う。転生が人気があるからなのか、掲載誌のコンセプト的にその設定は外せないのか。ただ、ダリアの発明する魔道具が現代のレインコートだったりドライヤーだったり5本指抗菌靴下だったり、でも、それは必ずしも転生でなくても良いように思う。自立したヒロインが幸せをつかむ物語ですね。

ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで
 逆境の主人公が強い意志と知恵を使ってなり上がっていく話。主人公がいい人過ぎず辛い過去を教訓に厳しい渡世を渡る心意気を身に着けている。根はいい奴なのだがこの世界で生き延びるために時には卑怯な手段をもいとわない所がダークヒーローっぽくて良い。1クールでは話が盛り上がってきたところでの打ち切りのようでもったいない。いろいろ事情はあるのだろうが、2クールで何か大きな課題をクリアして欲しかったところ。

新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。
 オープニング主題歌が串田アキラというだけで、ニヤリとさせられる、痛快バトルギャグアニメ。バトルと言ってもスポーツ的な力と技の勝負だ。言ってみればキン肉マンみたいなもんかな。

異世界スーサイド・スクワッド
 本家Warner Bros.がプロデュースしていて、ハリウッド作品に登場している人物がそのままのキャラクターで登場するという日米融合アニメ。ハリウッド映画と日本のテレビアニメは異なるベクトルのような気がしていたのをひっくり返された。ストーリーは大したことなかったが、今後の両者の関係のターニングポイントとなるかもしれない試みだ。

魔王軍最強の魔術師は人間だった
 設定上悪者が実は良いヤツでみんなが手を取り合って平和に暮らす世界を作っていく物語。…そうか、これって転生悪役令嬢モノの筋書きなんだ。多くの兵隊はCG描画だし、キャラクターは低カロリー作画、スタッフを見るとかなり中国。

女神のカフェテラス 第2期
 ドタバタハーレムラブコメディー、大して中身のないストーリーでヒロインたちとの関係もほぼ進展なし。作画も安定しているとは言い難い。何で見てしまうのかなぁ、これが「癒し」というヤツなのか?

モブから始まる探索英雄譚
 ダンジョン探索が管理された社会スポーツのように存在する世界でダンジョン攻略を行っている主人公、レアカードを手に入れて幼女戦士(妖精?)と共に探検…というのは舞台設定で、本筋は友情を育んだり好きな幼馴染のために努力したり、という大して大きな謎解きもバトルも無い平凡な話だった。作画も後半目に見えて崩れてきたし。

2024年7月20日土曜日

映画:ルックバック

 深夜アニメで流れているCMや、Youtubeのおススメ動画サムネイルで「ルックバック」という作品が紹介されていて気になっていた。ネタバレを嫌っておススメ動画をとばし続けるのも嫌なので映画を見に行くことにした。ただ、鳥取市内に一館しかない小さな映画館ではルックバックは上映していない。ネットで探してみたら県内に上映館は無かった。一番近いのは岡山市のイオンシネマだ。朝7:30に家を出たが、Yahoo!カーナビでは到着は11:00過ぎ、午前中の上映時間には間に合わない予測だった。けれども休憩せずに運転し続けたら、だんだん到着予想時刻が前倒しになって10:30ぐらいに岡山のイオンモールに到着した。チケット購入は行列だったが、キャッシュレス決済端末が空いていてスムーズにチケット購入ができた。中央寄りの席は埋まっていたのでやや上手(右側)席から見ることになった。

 シアター内に観客は20人程度だったろうか、比較的空いていた。音楽の音量が大きいのが若干気になったのは座席の位置によるものだろうか。前3列は誰も座っていなかったが、前の方の中央席を取ればよかったかなと、始まってから思ったりした。

 ストーリーはシンプルだった。「なぜ漫画を描くのか」を、主人公に問う物語だ。漫画を描く対称的な二人の心が表情や仕草でよく表現されていて、かつて絵を描いたことのある人(私も含めて)にはなかなかグッとくる話だ。ましてや漫画家やアニメータ―など漫画やアニメを仕事にしている人ならば涙が出そうな話だろう。奇しくも京アニ放火事件は5年前の7月18日だった。現実の事件のことも思い起こされて、複雑な感情も渦巻く。けれども、決して説教的でも教訓的でもない、「描くことが好きだから」「喜んでくれる人がいるから」描く、という気持ちが伝わってきた。

 声の演技も違和感がなく、よく演じていた。映像も手書きアニメの良さを生かした、自然で統一感のあるものだった。原作を読んでいないので、脚本や演出の良さは原作の良さなのか、監督や演出家の技量によるものなのかよくわからないが、主題を引き立たせる無駄のないものだった。派手さは無いものの、「うんうん、そうだよね」と共感できて、じんわりと胸が熱くなる作品だった。

2024年6月30日日曜日

2024年4~6月アニメ 振り返り

この期は、人気シリーズの続編がいくつかあって、それ以外は超注目作というのはなかったのだが、蓋を開いてみるとオリジナル作品がクオリティが高く、充実していた。ガールズバンドものがいくつかあって、それぞれ演奏シーンの作画や楽曲クオリティーが高く、レベルアップしてきたなぁというのも感じた。

◎ガールズバンドクライ
 熱い魂の叫びを感じさせる熱血ガールズバンドストーリー。登場人物がそれぞれ悩みや葛藤を抱えながら、本気でぶつかっていく姿が気持ち良い。CGアニメは良く動くのだが、CG動作の癖みたいなのが時々気に掛かる。現実のバンドともリンクしているが、声優がバンドをやっているぎこちなさや、ミュージシャンが声優をやる不自然さを一切感じないところはスゴイ。

◎怪獣8号
 今期で一番ワクワクしながら見ているのがこの作品。人が怪獣と戦える力を獲得しようともがいている中で、一足飛びに怪獣の力を持ってしまった人間はどうするのか、どうされるのか。その展開が気になって仕方がない。怪獣デザイン・ワークスにスタジオカラーや前田真宏氏を起用しているのも嬉しいポイント。

◎夜のクラゲは泳げない
 その辺のバンドものとは違って、ネット時代のクリエーターに焦点を当てた青春ストーリー。主人公が絵師だというのも新しい視点だと思う。登場人物が人間関係で様々な悩みやトラブルを抱えていながら、それに立ち向かう姿は今の多くの若者を投影しているのだろう。楽曲が40mPというのもこのコンセプトにぴったりだったと思う。

○転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます
 第1話時点でショートパンツのムチムチ男子である主人公に、「これだったら、女の子主人公にすればいいのに」と感じて切りかけたが、作画の良さやチートな魔術の繰り出し方に惹き込まれてしまった。主人公が少年なのも年上のおねえさんを魅力的に描くためだと納得できた。

○終末トレインどこへいく?
 この話は一体どこを目指しているのかわからないまま、幻想の世界を列車が走り抜けていく、なんだか不思議な物語だった。結局は友達とのいさかいによる心の闇がが世の中を捻じ曲げてしまい、それを元に戻そうと苦闘する「セカイ系」物語なのだなと気がついた。こういう作品も1クールに1本ぐらいはあってほしい。

○狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF
 昔放映されたアニメのリメイクだということだが、時代設定が現代でないためか、「うる星やつら」リメイクのような古臭さは感じない。経済をテーマに扱っているのが自分的には新感覚。イマイチぴんと来ない所も、Youtube「赤ペンチャンネル」の解説で理解できた。

○響け!ユーフォニアム3
 ド・ストレートな青春部活アニメ、作画は京アニのハイクオリティー!登場人物の微妙な感情の動きを丁寧に描いている。あまりにも演技が真に迫っていて、息苦しくなるほどだった。CGも手書きと上手に馴染んでいて全く不自然さを感じなかった。同じくNHKでやっていたオーケストラ部が舞台のアニメには見習ってほしい。

○この素晴らしい世界に祝福を!3
 人気シリーズの第三弾、相変わらず作画クオリティはイマイチなのだが、テンポの良さと声優の演技の巧みさで楽しく観ることができた。

○声優ラジオのウラオモテ
 声優に声優の演技をさせる、お仕事アニメ。声優というのは今の若い人たちのあこがれの職業の一つなのだろうな。だからこそそれを舞台に苦悩する青春ストーリーが成り立つわけで、けれども声優への憧れを失わせないような配慮もあるわけで、おじさんからすると、イマイチ感情移入できない部分もあるのだ。

○転生貴族、鑑定スキルで成り上がる
 人の能力を数値で見ることができたら、という、これもゲームの要素をチートな能力として取り入れたストーリーだ。登場人物が個性的で能力のある人物を懐柔していくプロセスや、その能力を活用して困難を乗り切っていく戦略が楽しめた。

○変人のサラダボウル
 異世界から転生してきた王女がこの世界で新しい人生を楽しむ物語+体力と剣術だけが取り柄の女騎士が一見平和なこの社会で底辺から逞しく人生を掴みとっていく話。この作品の秀逸なところは舞台が岐阜という地方都市で、扱われる話題は現代の様々な社会問題で、その中で失敗をしながらも乗り越えていく様子が軽いテンポで描かれているところだ。実は社会派アニメなのだった。

○魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?
 ヒロインエルフのネフィが可愛くてニヤニヤしてしまう、チート魔王の無双話の皮を被った、おくて男女のほのぼのラブコメ。途中から久野美咲演じる幼女が参戦してくるあたりが更にあざとい。

○無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール
 作画品質が低下したかなと感じる場面が時折ある。戦闘シーンの疾走感はなかなかのものだが、日常シーンでカロリー削減している感が見え見えだ。ま、緩急あるのもやむを得ない。ストーリーとしては、新婚生活に妹二人が転がり込んできて、家族とは何かを考えさせる展開になっている。なかなか奥が深いわ。

○魔法科高校の劣等生 第3シーズン
 これも人気シリーズ、早見沙織もすっかり人気声優になって初期に連発していた「さすがです、お兄様」というセリフがとんと聞けなくなってちょっと寂しい。原作イラストの石田可奈さんがアニメ版のキャラデザから総作監までやっていて、そりゃ作画品質が良いわけだ。

○ゆるキャン△ SEASON3
 制作スタジオ、キャラクターデザインが変更になったが、ストーリーは相変わらず「ゆるキャン」だ。ただ、今期はサークル活動というより、やや旅行やキャンプの話題が多くなってちょっとアクティブな印象になっている。正直キャラデザは以前の方が好みだが、原作に寄せてきたということで、そこは尊重しよう。

○転生したらスライムだった件 第3期
 人気シリーズなのだが、第2期は各勢力の駆け引きが楽しめなくて、視聴が続かなかった。今期も最初の辺りの会議室での戦略会議や敵勢力との駆け引きがややまどろっこしい感じはしたが、ヒナタとどう和解しあえるかというポイントが気になって、視聴を続けることができた。

○ワンルーム、日当たり普通、天使つき。
 1人暮らしの男子のところで美少女と同棲することになってしまうという、「押しかけ女房」ものラブコメディー。天使だけでなく雪女や吸血鬼、河童も出てくるなか、普通の人間の幼馴染も出てくるあたりが良いバランス。時々舞っている天使の羽根が、根元の所にフワフワがついている水鳥の羽根なのが自分的には目から鱗だった。

・じいさんばあさん若返る
 放送曜日の関係で何となく見てしまっていた。ほっこりする田舎の日常系ファンタジー(?)。若返りの謎解きが展開されるかと少し期待する場面もあったが、けっきょくその辺りはうやむやで、おとぎ話の一節という扱いになっていた。ま、それでいい。

・Re:Monster
 人間の何倍もの速さで成長するモンスターで、人型モンスターの中では最弱の扱いを受けているゴブリンを主人公にした、建国物語。時間の進み方がゲームのそれで、時間のかかる修行や鍛錬をサクサクこなしてしまうところがテンポの良さ、展開の早さなんだなと気付いた。

・ささやくように恋を唄う
 いい感じで物語が進行していて、「百合」モノ青春ストーリーの甘酸っぱさを感じていたのだが、制作側の内部事情で作画が崩壊し進行が中断してしまった。別にストーリーの先が気になるとかではないのだが、ちょっと残念。