2026年10月4日日曜日

2026年7~9月アニメ振り返り

 今期はなかなかの良作ぞろいだったように思う。最近の流れとは少し方向性の違う、それでいて意欲的な力作がいくつも見られた。また、人気声優がこれまでのイメージを覆すような役回りを演じていて驚くようなこともあった。日本のアニメはすごいなとあらためて実感させられたクールだった。

さよならララ

◎さよならララ
 良い作品だった。絵柄がイマ風でなかったり、最後が断ち切れていて物足りなかったりはするし、人魚と人間の因縁は解決していないが、それがこの作品世界について更に深く考えてしまう余韻となっている。似たような絵柄、世界観の作品が溢れる中で、異質な存在でありながら心に残る作品となった。

◎ふつつかな悪女ではございますが
 これはテレビではやってなかったのかな?Youtubeのアニメ解説動画で面白かったというのを聞いて探してみたら、AmazonPrimeに登録されていたので観てみた。いちど見始めたら面白くて、土日で11話(最終話)まで観てしまった。体と心が入れ替わるという設定はときどきあるのだが、意図せず入れ替わってしまった被害者が新しい体に喜んで大活躍するという新しい切り口の後宮ミステリーだった。作画も丁寧で美しかった。

天幕のジャードゥーガル
◎天幕のジャードゥーガル
 大モンゴル帝国を舞台とした、歴史ミステリーと言っていいのかな?なかなか壮大な作品だが、そのサワリの部分を1クールで映像化してくれた。こういう作品ができる懐の広さがあるから日本のアニメは世界で評価されるんだろうなと思う。制作はサイエンスSARU、ここの作品は外れが無い。続編が制作されることを期待したい。

◎無職転生Ⅲ ~異世界行ったら本気だす~
 前半はルーデウスの幸せな日常パートで、正直物足りない感じがした。しかし終盤になって物語が怒涛の大展開、これから一体どうなるのか、観ているこっちがおろおろとしているところで分割2クール後半までお預けになってしまった。原作の筋書きも素晴らしいのだが、それを映像化するアニメスタジオの技術に裏打ちされた、執念と言っても良いほどの熱い想いが伝わってくる。続きを楽しみに待とう。

◎二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-
 京都アニメーションらしい高品質アニメ、作画が緻密で綺麗なのに加えて物語の盛り上がりや演出もさすがだった。CGの使用がやや過剰に感じる部分や演出にやりすぎ感を感じる部分もややあったが、京アニの新しいことへの挑戦への意欲を感じさせるものだった。

◎片田舎のおっさん、剣聖になるII
 おっさん、それも「先生」と呼ばれる主人公には共感と共に羨ましさを感じる。ただ、慕われるだけの主人公ではなく様々な出来事を通して自分自身も成長している。私自身も”おっさん”、見習うべきことも多い。主題歌はユニコーン、やっぱ、おっさんをターゲットにした作品なのかな。

◎「逃げ上手の若君」第2期
 歴史物語をこんなに高品位なエンターテインメント作品に仕上げている。さすがはCliverworks、作画だけでなく演出やキャラクター設定がぶっとんでいてワクワクする。まだまだ物語は続くようだ。楽しみに待とう。

◎これ描いて死ね
 私も少年時代はマンガ好きの子供だった。拙いながらマンガを描いてみたこともある。学生時代には仲間とコミケにも行った。そんな頃の思い出がよみがえる作品だった。先生の回想と現在の姿、生徒を見つめる眼差しにうるっとくるものがあった。シンエイ動画の良さが発揮された作品だと感じた。2期も制作決定したらしい。ここまででキレイにまとまっているだけに、今後何が起こるのか楽しみなような不安なような。

○攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL
 伝説のSFサイバーアクション漫画をほぼ原作通りにアニメにしたという作品、原作は35年以上前に描かれたものなのだが、世界観の構築が素晴らしい。敢えて昔懐かしさを感じさせる絵柄に仕上げている辺りもアニメスタジオの原作リスペクトとこだわりを感じる。時々画面の端に出てくる小解説はビデオを一時停止しないと読めないと思うのだが、動体視力の良い若者は読めるのだろうか?

乙女怪獣キャラメリゼ
○乙女怪獣キャラメリゼ
 ラブコメと怪獣を掛け合わせたこれまでにない異色作品で、最初は違和感が出るのではないかと心配していたが、ラブコメ自体は王道ストーリーで、CGによる怪獣は心配していた安っぽさは無く、人物から浮いてしまうこともなく上手に作画されていた。コミックスは10巻まで出ているそうで、この品質ならぜひ続きを見てみたい。

○対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~
 お嬢様が格ゲーまみれになる話。最終回になってやっと百合の雰囲気が出てきたものの、これは全くもってスポーツバトルものだった。対戦画面がゲーム画面そのもので、それはリアルである反面、アニメで延々とゲーム画面を流すのがどうなのかと思ったりもした。

○幼女戦記II
 近世ヨーロッパ史の知識があれば更に楽しめたんだろうなと思わせる作品。魔導士の存在というフィクションを戦いの歴史の中に組み込んで、歴史を再構築している。私にとっては異世界召喚とほぼ同等なのだが、世界観が重厚でストーリーに見入ってしまうのはさすがだと思わざるを得ない。

○ワールド イズ ダンシング
 
ダンス(舞)と歴史という、これまでなかった組み合わせを楽しませてくれた。余分な情報をそぎ落とした作画とアクションは実写でもCGでも実現できない、画力のあるアニメーターの手書きならではもので圧巻だった。

○グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~
 時代設定は昭和の終わり辺りかな?サーカスが身近なエンターテインメントとして繫栄している世界での父と子の確執、仲間と共に成長、ライバルとの対決、逆境を乗り越えて成功を掴む、といった様々な要素をぎゅっと詰め込んで明るく仕上げた作品だった。A1-Picturesの実力は以前から買っていたが、期待を裏切らない作品だった。

○クレバテスⅡ-魔獣の王と偽りの勇者伝承-
 第1期から舞台が大きく変わって魔法学園ものになったのだが、それを可能にする「魔獣王」の絶対的な魔力がこの物語の根幹なのだと思う。前作の勇者と魔獣王の関係から、魔獣王同士の確執と戦いにシフトして世界観が更に重厚なものになったように思う。この先どんな設定になってももう、受け入れるしかないだろう

○追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する
 独特の髪の毛のなびきや、CGを多用した緻密な作画、大胆な構図でのアクションなど、一目でわかるGoHandsらしさが好きだ。毎回町並みの俯瞰から廻り込んで近付いていく構成や、アバンやCM後に前回のシーンを繰り返して尺を稼ぐ流れなど、展開が遅く本編がなかなか先へ進まない点は不満だが、アクションが派手で視点がグリグリ動く映像に目が離せない。ストーリーよりも映像を楽しみたい。

○「株式会社マジルミエ」第2期
 「魔法少女」といっても、職業としておこなっていることなので、みんな20歳は過ぎているだろう。その辺の女児向けの魔法少女ものとは少し傾向の違う”お仕事もの”アニメだ。努力・友情・勝利を魔法少女で体現するとこうなるという清々しい物語だった。仏頂面のライバルが最後には笑顔になるというのもお約束ではあるが後味のスッキリした展開だった。原作には続きがありそうなので、またいつか、アニメでこの続きが観たいものだ。

○「正反対な君と僕」第2期
 登場人物のモノローグで進行していく作品、そういえば若い頃はこんなことで悶々としていたな...と、今の若い子たちもそうなんだよなと、想像することしかできないが、でもこの作品に人気があるというのはそういうことなんだろうなと思う。アクションとか、映像で魅せるところはほぼ無いのだが、心がきゅんとするのはどう表現したものだろうか。

○無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す
 無自覚聖女と溺愛皇子、令嬢姉妹の確執など、よくある設定とストーリーであるが、まあ、サザエさんや水戸黄門みたいなもんだと思えば納得。高橋李依の声が実にあざとい。

・捨てられ聖女の異世界ごはん旅 隠れスキルでキャンピングカーを召喚しました
 御都合設定のほのぼの異世界転生枠。細かい所にはこだわらない、人は死なない、ご飯がおいしそうでみんながハッピー。あんまり何も考えずにぼーっと見ていられる、週の半ばにはこんなアニメで一休み。

・領民0人スタートの辺境領主様
「気は優しくて力持ち」を全肯定するほのぼのコメディ。もっとどんどん国を大きくして大反映させるのかと思っていたが、魔法とか奇跡とかに頼らず、主人公の人格で少しずつ仲間が増えていくという話だった。アア、ソンナヒトニ、ワタシハナリタイ

・ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~
 
これもいわゆる「追放もの」なのだろうが、復讐が爽快なものだけでなく、胸糞悪い殺人劇もあって、あまりスッキリしない。本当の復讐というのはこういうものなのかもしれないが、甘いと言われてもそんなにシリアスにならず、リベンジ劇を楽しみたいものだ。

・ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。
 最強主人公が無双する剣と魔法世界の物語。取り立てた推しポイントは無いのだが、今期の“何となく見続けてしまった”枠。

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